尿失禁レーザーQ&A

尿失禁レーザーはどのように効果がありますか?

 

効果についての基本論文について

治療は、身体自身の組織の生育能力を刺激することによって機能します。

腹圧性尿失禁のレーザー治療の目的は、尿道下ハンモックと周囲の支持筋膜の結合組織を強化することです。現在までに、SUIにおけるVELとCO2レーザーの両方の有効性を評価する19の研究論文があり、主にVELTMが使用されています。これら論文の大多数は、3〜6か月のフォローアップを伴う小規模な前向き観察研究またはケースシリーズであることが特徴です。つまり、12か月以上の追跡調査が行われた3件の研究論文は大変重要で注目すべきです。

一つが、このコロンビアのSan Jorge University Hospitalのドクターの書いたCO2レーザーの論文です。

次は、2018年にイタリアのピサ大学のガンバチャーニ教授の書いた205人の集計結果です。

3つ目が、当院からジャーナルに投稿した比較試験の論文です。

 

アウトカム指標からの

目標のことを、医学用語で、アウトカム指標と言います。腹圧性尿失禁では、この指標は、下部尿路症状に関する国際失禁質問票-尿失禁ショートフォームまたは同様の質問票を使用した場合もので、主に主観的評価であることが特徴です。 ここで大事なのは、SUIのスタンダートな術式である mid-urethral sling と比較した研究は一つだけであることです。この研究では Tension-free Vaginal Tape (TVT)、 transobturator tape (TOT)との結果比較いてVELが混合性尿失禁MUIに対して安全で有効と報告されています。

 

 

その効果の変化についての論文

複数の論文で、症状スコアは約6〜12か月間わずかに改善し、その後、繰り返し治療を行わない限り、徐々にベースラインに戻ることが示されています。

ベースラインスコアによって判断されるように、軽度のSUI症状のある人は、中等度から重度のSUIのある人よりも治療効果が高いというデータからの示唆があります。ただし、これらの結果は慎重に解釈する必要があることが大切です。SUI・MUIの他の介入の評価のための認められた基準である客観的な結果測定(例えば、尿流動態検査またはパッドテスト)を使用した研究はごくわずかであるからです。

見方をかえて、TVT/TOT手術後の尿失禁非改善例に対してVELTMの効果をみた後ろ向き論文が注目されます。

この注目論文は、当院からの発表です

 

また、VELのSUI・MUIへの効果についての予測因子について42人のSUIと40人のMUI患者データの多変量解析で分析した論文も学会で注目されます

こちらは、トルコのターナー教授により解析がなされています。

 

 

 

治療に年齢制限はありますか?

治療は、すべての年齢の成人女性に推奨されます。インティマレーザーのメカニズムであれば、身体の自然なプロセスの能力低下に起因して治療をします。その有効性は、高齢でも効果があります。重要な点はどこをゴールにするかです。例えばの例をあげます

例)一人目の子供を産んだ人が、尿漏れ・膣の不快感にて性生活も日常生活もおくれず、次の妊娠が不安。この場合は、1から2回のレーザーで十分であろうと考えます。生殖年齢であれば、次の出産で骨盤底に傷をつけないかぎり、閉経までその効果が持続すると予測されます

例)80歳の女性が、GSMが高度で座るのも痛く、そして尿が漏れる。この場合は、1回のレーザーで痛みが改善し、尿漏れが半分以下にはなりますが、痛みが全くゼロという状況や尿漏れがゼロという状況を望むときは、3回以上が必要です。また、82歳になると、また血流が弱くなるので、追加が必要です。しかし、実際の診療では、そこまで望まれる方はすくなく、ほぼ痛みがなくなり、ほぼ尿漏れがなくなれば、おおくの論文で満足度のスコアが高い点数を示しています。

 

上記の2つの例をあげた根拠としては、年齢や満足度に関しては、英国で臨床試験がされています

45. VESPER: Stress Urinary Incontinence (VESPER-SUI). Available from: https://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT03996070 [last accessed 27 May 2012]

このVesper試験です。いずれ論文として報告されるでしょう。

その前に、その詳細については、以下の

この論文にくわしく記載されています

 

更年期障害のある女性は治療を受けられますか?

はい、更年期の女性は治療を受けることができます。 乾燥や刺激が激しい場合は、まず、閉経関連泌尿生殖器症候群GSMの症状を治療するために特別に開発されたレーザー治療はすすめることが可能です。 必要に応じて、自費診療を一度止めて(日本の法律で同時にはできないから)、保険診療の腹圧性尿失禁または骨盤臓器脱の治療を行うことが必要です。

 

いままでのGSMのスタンダートは膣エストロゲン治療。

膣エストロゲン治療は、一般的にGSMの第一選択治療と見なされていました

代表的な論文は、以下です

24. Baber RJ, Panay N, Fenton A. 2016 IMS Recommendations on women’s midlife health and menopause hormone therapy. Climacteric 2016;19:109–150

しかしながら、膣のエストロゲンは一般的に安全であると考えられていますが、それらはすべての人にとって適切または効果的ではなく、一部の女性はそれらを使用しないことを選択する可能性があります。

そこで、考え出されたのが、膣レーザーという治療方法です。

膣レーザー治療のもつ膣エストロゲン治療の代替治療の可能性についての報告があります。いくつかの研究では、これら2つを直接比較する形で研究をすすめています。

アルゼンチンのガスパー教授の報告では、 最初の6か月間でVELTMとエストロゲンが同等の効果が報告されたが、その段階でエストロゲンが中止されたため、それ以上の結論を出すことは困難であるとしています。

クルズ教授の報告では、ランダム化試験において、CO2レーザー、膣エストロゲン、CO2レーザーと膣エストロゲンを合わせた3つのアーム全てで同様の反応が見られたとしています。

これらの研究の先には、乳がんサバイバーを見据えている

乳がんサバイバーのように膣エストロゲン治療を受けることができない人にとっては合理的な代替手段となる可能性があります。 しかし、これまでの研究内容では、膣エストロゲン治療ができる人にとって、膣レーザーに関連する追加のロジスティックな問題(診療所への通院、侵襲的処置、経済的費用など)が、現段階では合理的な説明ができているとは言えません。これにはさらにデータが必要であるのも確かです。

過去に乳がんの病歴がある女性など一部の女性は、膣エストロゲンを服用できないことが知られています。このグループの女性は特に膣の組織が脆弱であり、乳がんサバイバーの70%以上が膣の症状を報告しています。他施設共同研究で乳がんサバイバー患者のコホートを行った研究では、膣レーザー治療に特に適している可能性が示唆されでいます。 5施設の小規模な研究では、乳がんサバイバーにおいて、CO2レーザー治療とVELTMが効果的で一般的に効果の高い治療であることが明らかになっています。最新の研究では、早期乳がんと症候性VVAの閉経後の女性26人が、4週間間隔で3回のCO2レーザー治療を受けたものがあります。これらでは、 VVA症状と女性の性機能指数の有意な改善が12週間で認められました。

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