女性泌尿器科専門のクリニック

膀胱膣ろう

治療対象の方の条件
1)
  いままで治療をしてきた病院から紹介状を準備できること(あてなは、『帝京大学泌尿器科非常勤講師 奥井伸雄』でお願いします。大学の役職で見せていただくことで、おおくのほかの医師と相談しあいながら倫理的に正しい判断をしていくためです。また、紹介状は、クリニックの初診の時は必要ありませんが、治療の途中で大学病院へ移動しますので、その時はいままでの治療をした病院から大学病院への書類が必ず必要です。)
2)  子宮がんの術後の『膀胱膣ろう』も、子宮摘出手術後の『膀胱膣ろう』もうけいれます。ただし、術後、子宮がんのアフターケアは、MRIを併用することになります。
(これは、膣の形がかわることが多いので、膣壁をこすって細胞診をとることが難しいからです)
3)  子宮がんに対して放射線治療を実施した方は、残念ながら私の術式は不可能です。
4)  クリニックと大学病院の2か所を通院することになります
5)  クリニックでは、状況にあわせて、自費診療(診察料3000円)となることがあります。
(普段診療している女性泌尿器科の患者さんに比べて3倍ぐらい時間がかかるので、不公平のないようにします。あれかじめご理解ください。)




第1章 ろう孔とは?
第2章 膀胱膣ろう と 直腸膣ろう
第3章 膀胱膣ろう のむずかしいところ
第4章 おむつのケアを考えよう
第5章 おむつ使用証明書とは
第6章 インテグラル理論に基づいた奥井式治療
第7章 学会で発表してきました
第8章 膀胱ろう に一時的に変更するという方法
第9章 尿道カテーテルはよくないかもしれない
第10章 術後のケアで注意することは、元の病気の確認
第11章 なぜ取り組みをはじめたか?
 
第12章 大学生への教育も始めました。(講義スライド2010年)
第13章 学会にも発表を始めました(2010年)
第14章 iPADを用いた手術で、術野の取りにくいこの病気へ取り組み
第15章 膀胱膣ろうの臨床分類について初めて統計報告 2011年
第16章 膀胱膣ろうの画像診断のビデオを公開 2011年

 

第11章     なぜ、取り組み始めたか?

 

なぜ、膀胱膣ろうの取り組みをはじめたか? 難しいことですよね。自分でした手術のあとに、組織がもろくて膀胱膣ろうになったのでしたら、それは、自分で解決することが、もっとも正しいとおもいます。なぜならば、その最初の手術をよく知っているので、どう直せばいいかわかるわけです。とうぜん、僕自身もそうしてきました。自分の分だけは、自分でなおすとしていたのです。
女性泌尿器科の専門の医師になり、僕は、年間200から300件の手術をするようになりました。そこで、堀江教授からお願いをされて、帝京大学で、金曜日に、女性泌尿器科を教えながら治療にあたりました。この堀江教授というひとは、僕の師匠でもあり、兄貴にあたるような人で、おおきな人物です。だから、金曜日に若いDrへ教えるのは、当然楽しい雰囲気になり、気持ちのよいものでしたし、その分手術も完成度の高いものができてきました。そこで、たまたま、膀胱膣ろうの女性がいたのです。

膀胱膣ろうと聞いただけで、若いころから蘇る数々の患者さんたち。直したくてもなおせなかった人たちがたくさんいます。でも、今の僕の視点は、当時とかなり違います。当時は、若かったので、上司の先生に指導されて、縫い占める、きつく縫う、切り取る ということを、組み合わせた術式だったとおもます。

たまたま、その前に、横須賀市で膀胱膣ろうの女性に出会いました。高齢の人で、とても手術はできないひとでした。その時は、介護の知識が役にたちました。介護では、このような尿がもれる人は、膀胱からカテーテルを直接挿入する膀胱ろうが最適だとされていますし、僕が女性泌尿器科の専門をするのも、もとは介護の領域に医学を導入したいから。そこで、躊躇せず、膀胱ろうを作成しました。とはいえ、その高齢の女性の場合は、腸ヘルニアもあり、大変苦労しました。膀胱ろうをおくと、膀胱の圧力が均等化されて、膣からもれなくなり、やがて膀胱膣ろうはふさがりました。

その高齢の女性のことを覚えていたので、今度は、帝京大学で、若い女性の膀胱膣ろうにとりくむ気持ちになったのです。もちろん、堀江教授のじぶんの患者さんは、助けたいという医師としての情熱に刺激されたのはいうまでもありません。
そこで、考えたのは、かっては、”縫い占める、きつく縫う、切り取る”だっつたから、今度は、女性泌尿器科のインテグラル理論にのっとって、”はずす、ゆるめる、ソフトにする”という方法で、骨盤の中のぜんたいの力関係を均等化しようとおもったのです。年間の女性泌尿器科の手術経験がやくだったわけです。



一番左の緑の服の人が堀江教授。真ん中が、奥井です。(この写真は別の手術です)


このホームページで、膀胱膣ろうの人に、光をあげれるわけではありません。あくまで、インテグラル理論をもちいて、均等化すれば、治る可能性のあるひとだけです。逆にいえば、力学に関係なく、組織が脆弱化したことで、おこった膀胱膣ろうは、なおりません。それは、放射線をかけてなった人や、長期に寝たきりで栄養失調になった高齢者です。それに、膀胱膣ろうとおもって診察をすると、尿管膣ろうであることもあります。このようなケースでも、むずかしいといえます。

僕は、ハーバード大学で女性泌尿器科を勉強しました。そこでは、奇をてらった手術は、もっとも敬遠されました。それは、安定性がないからです。



ボストンは、きれいな街です。アメリカの中のヨーロッパです。そして、長く愛されたものだけが、大切にされる傾向もあります。

ですから、古典的な手術を応用して、そこに、最新の理論をアレンジして組み込むことは、ハーバード大学でよくする行為です。(とはいえ、ハーバード大学では、膀胱膣ろうの手術は、みませんでした。)古典的な手術は安定性があります。出血もすくなく、術後痛みがないようにすることができます。






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