よこすか女性泌尿器科 https://www.urogynnet.jp 骨盤臓器脱、尿失禁専門 Fri, 18 Jun 2021 03:22:50 +0000 ja hourly 1 https://wordpress.org/?v=5.5.5 https://www.urogynnet.jp/wp/wp-content/uploads/2020/09/cropped-YHClogo-1-e1600819206147-32x32.jpg よこすか女性泌尿器科 https://www.urogynnet.jp 32 32 妊娠を希望する女性には人工メッシュよりもレーザー治療(当院の海外論文) https://www.urogynnet.jp/%e5%a6%8a%e5%a8%a0%e3%82%92%e5%b8%8c%e6%9c%9b%e3%81%99%e3%82%8b%e5%a5%b3%e6%80%a7%e3%81%ab%e3%81%af%e4%ba%ba%e5%b7%a5%e3%83%a1%e3%83%83%e3%82%b7%e3%83%a5%e3%82%88%e3%82%8a%e3%82%82%e3%83%ac%e3%83%bc/ Sat, 12 Jun 2021 01:48:45 +0000 https://www.urogynnet.jp/?p=1523 当院の研究成果を、レーザー医学の学術誌(英国レーザー医学会誌)に査読の上、論文として採用されたものです。

この研究では、後ろ向き調査によりレーザーを希望した人と、人工メッシュを希望した人について分析をしています。研究からは、尿失禁改善という点では、人工メッシュのほうが有効ですが、妊娠を希望する患者のグループでは、人工メッシュを勧めることがかならずしも第一選択でないことがわかります。

患者の希望、実施にともなう副作用、長期的な副作用、効果、すべてにおいて、妊娠を希望する人のみレーザーのほうが優位にあるようです

 

当院のyoutubeで論文のポイントを解説します

 

]]>
骨盤臓器脱手術:メッシュ問題の時代にどのような選択肢があるか? https://www.urogynnet.jp/%e9%aa%a8%e7%9b%a4%e8%87%93%e5%99%a8%e8%84%b1%e6%89%8b%e8%a1%93%ef%bc%9a%e3%83%a1%e3%83%83%e3%82%b7%e3%83%a5%e5%95%8f%e9%a1%8c%e3%81%ae%e6%99%82%e4%bb%a3%e3%81%ab%e3%81%a9%e3%81%ae%e3%82%88%e3%81%86/ Sun, 18 Apr 2021 03:22:13 +0000 https://www.urogynnet.jp/?p=1507 ヴィッテン・ヘルデッケ大学産婦人科(ドイツ)のノエ医師による総説論文である。

メッシュの使用に関する議論は、膣手術に深刻な影響を及ぼしました。現在、腹腔鏡アプローチと組み合わせて自家組織を使用する手術が取り組み始められています。

 

メッシュの使用はさまざまな問題をつくりました。たとえば、現在の研究データは、メッシュはその近郊の筋肉への影響だけでなく、疲労症候群[引き起こすことが論文として報告されています。

現在、国際的には、天然の組織(ネイティブ組織)と腹腔鏡下手術の使用を奨励する論文が増えています

 

PROSPECT試験という英国での多施設研究では、天然組織の使用は、膣手術におけるメッシュより劣っていないことがわかっています。

臨床症の成功の評価が、ネイティブ組織再建の非常に良好な長期成功率をもたらすことを示しています。メッシュの使用を制限すると、合併症や再介入率も低下する可能性が示されています

 

 

 

]]>
腹圧性尿失禁手術の合併症研究から適切な手術は? https://www.urogynnet.jp/%e8%85%b9%e5%9c%a7%e6%80%a7%e5%b0%bf%e5%a4%b1%e7%a6%81%e6%89%8b%e8%a1%93%e3%81%ae%e5%90%88%e4%bd%b5%e7%97%87%e7%a0%94%e7%a9%b6%e3%81%8b%e3%82%89%e9%81%a9%e5%88%87%e3%81%aa%e6%89%8b%e8%a1%93%e3%81%af/ Thu, 18 Mar 2021 03:12:57 +0000 https://www.urogynnet.jp/?p=1557  

合併症から考えた人工メッシュ手術の比較

デンマークのコペンハーゲン大学病院産婦人科から出された研究論文で、過去の論文データを分析することで、TVT手術とTVT-O手術の比較をしています。これらの手術には、いままで存在しなかった切迫性失禁の出現、感染、性行為痛などの合併症が術後出現するケースがしられています。合併症の観点から考えると、TVT手術のほうが推奨されます。

Jimmi Elers   TVT or TVT-O? – A systematic review and meta-analysis comparing efficacy, complications and re-operations  J Obstet Gynecol Reprod Biol
. 2021 Mar;258:146-151. doi: 10.1016/j.ejogrb.2020.12.005. Epub 2020 Dec 13.

 

よこすか女性泌尿器科ではTVT手術とレーザー治療

よこすか女性泌尿器科では、TVT手術を日帰りで、ほとんど出血がおきないように実施できています。

しかし、人工物をつかわないというニーズも多数ですので、レーザー尿失禁治療にも取り組んでいます。

 

当院のyoutubeから

 

 

]]>
骨盤臓器脱のメッシュなしの手術は第一選択の地位に戻りつつある https://www.urogynnet.jp/%e9%aa%a8%e7%9b%a4%e8%87%93%e5%99%a8%e8%84%b1%e3%81%ae%e3%81%82%e3%82%8b%e5%a5%b3%e6%80%a7%e3%81%ae%e7%94%9f%e6%ae%96%e8%83%bd%e5%8a%9b%e3%82%92%e6%b8%a9%e5%ad%98%e3%81%99%e3%82%8b%e3%81%ab%e3%81%af/ Sat, 31 Oct 2020 03:44:07 +0000 https://www.urogynnet.jp/?p=1429 イタリアのサンジェラルド大学病院のMatteo Frigerio医師の論文

 

メッシュなし手術が主流に戻りつつある

子宮温存かつ骨盤臓器脱出手術は、臨床医や患者の間でふたたび主流の手術にもどりつつあります。

メッシュ関連の合併症がないため、骨盤再建手術の中心的な役割にもどるものと考えられます。

 

ネイティブ組織を使う手術には、経験とデータが必要

利用可能なネイティブ組織の手術には、さまざまな利点と落とし穴、およびさまざまなエビデンスプロファイルがあります。

それらのほとんどは、子宮摘出術に基づく手技の結果に匹敵する解剖学的および主観的な結果を提供します。

さらに、出産を希望する若い女性のネイティブ組織の手術は、妊娠中に潜在的に深刻な合併症につながる可能性がある合成材料の移植を回避することを可能にします。

 

妊娠希望者には、ネイティブ再建が第一選択

妊娠を希望する女性にとって、子宮温存のための再建的ネイティブ組織手術(マンチェスター手術を除く)を提供することが最も安全な選択肢であると私たちは考えています。

仙棘靭帯子宮固定術および高子宮仙骨靭帯子宮固定術は、より高いレベルのエビデンスおよび有害な産科転帰の欠如を考慮して、第一選択の選択肢と見なすことができます

 

]]>
間質性膀胱炎/膀胱痛症候群に対するYAGレーザー治療(当院の海外論文) https://www.urogynnet.jp/%e9%96%93%e8%b3%aa%e6%80%a7%e8%86%80%e8%83%b1%e7%82%8e-%e8%86%80%e8%83%b1%e7%97%9b%e7%97%87%e5%80%99%e7%be%a4%e3%81%ab%e5%af%be%e3%81%99%e3%82%8byag%e3%83%ac%e3%83%bc%e3%82%b6%e3%83%bc%e6%b2%bb/ Fri, 30 Oct 2020 21:59:27 +0000 https://www.urogynnet.jp/?p=1402 当院からの報告です。CLIMACTERIC 2020, VOL. 23, Suppl 1, S14–S17 https://doi.org/10.1080/13697137.2019.1703940

既存のさまざまな治療法に対して改善をしない間質性膀胱炎に対して、非蒸散性エルビウム・ヤグ・レーザー治療を行った症例を集めた検討集です。

この研究では、2016年までに数回の治療を行っても改善が見られなかった合計12人の患者が、都合に応じて月に1回、12か月間VEL治療を受けました。アンケートなどいくつかの調査が行われました

 

治療は、毎月のように行う必要がありますが、膀胱の痛みは軽減し、膀胱の大きさはもとのサイズを取り戻してきました

最終的に、

合計で、9人の患者が治療に反応し、3人は反応しませんでした。NRS-11スコアとICSIおよびICPIは、すべてのレスポンダーで改善しました。膀胱容量と頻尿も正常化した。残留効果は最初の治療から18ヶ月間続き、長期的な副作用はありませんでした。

]]>
子宮摘出後の腹圧性尿失禁に対する治療方法の研究 https://www.urogynnet.jp/%e5%ad%90%e5%ae%ae%e6%91%98%e5%87%ba%e5%be%8c%e3%81%ae%e8%85%b9%e5%9c%a7%e6%80%a7%e5%b0%bf%e5%a4%b1%e7%a6%81%e3%81%ab%e5%af%be%e3%81%99%e3%82%8b%e6%b2%bb%e7%99%82%e6%96%b9%e6%b3%95%e3%81%ae%e7%a0%94/ Thu, 29 Oct 2020 23:28:22 +0000 https://www.urogynnet.jp/?p=1419 これまで難題とされてきた子宮を摘出したあとの腹圧性尿失禁の問題です (写真は、この研究の研究者のひとりのクロアチアのFistonic教授と奥井)

最初に問題点をあげると、

なぜ、このような話があるかといえば、子宮を摘出することで、子宮の周囲の靭帯や筋肉を切断しますので、その部分の体内のコアをささえる能力がなくなっています。ここで、尿道に人工テープを挿入すると、尿道の部分の骨盤の力だけつよくなります。すると、バランスが悪くなり、結局は骨盤臓器脱の修正に、体内にメッシュをいれないと維持できなくなります。

 

この論文のポイント

 

トルコ、クロアチア、イタリアの3つの国での集計論文で、後ろ向きコホート研究では、35人の子宮摘出患者と34人の非子宮摘出患者のSUIの連続サンプルを登録することができました。非蒸散性エルビウム・ヤグ・レーザー(Fotona、スロベニア)の治療が、子宮摘出後の人でも、子宮のある人とかわらず効果があるかを調査しました。主な結果は、失禁質問票-尿失禁ショートフォーム(ICIQ-SF)で行っております。

 

結果としては、期間限定であるもの効果あり

この研究では、子宮を摘出していると、子宮がない人に比較して効果がないとされてきましたが、

レーザーは腹圧性尿失禁をおさえる効果があります

 

 

(奥井の感想)

これは、メッシュしかないという発想をかえる最初の1歩であるとおもいます

より普及していくことで、定期的なレーザーを使って、腹圧性尿失禁をいじできるようになれば、

快適な生活にかわっていくとおもいます

 

]]>
メッシュインプラントによって傷つけられたスコットランドの何百人もの女性とメーカーとの和解 https://www.urogynnet.jp/%e3%83%a1%e3%83%83%e3%82%b7%e3%83%a5%e3%82%a4%e3%83%b3%e3%83%97%e3%83%a9%e3%83%b3%e3%83%88%e3%81%ab%e3%82%88%e3%81%a3%e3%81%a6%e5%82%b7%e3%81%a4%e3%81%91%e3%82%89%e3%82%8c%e3%81%9f%e3%82%b9%e3%82%b3/ Tue, 20 Oct 2020 10:54:58 +0000 https://www.urogynnet.jp/?p=1339

イギリス最大の医学誌の一つBMJは、大切なニュースとして、骨盤メッシュ訴訟の和解を伝えている。その内容は、以下。

製薬大手のジョンソン・エンド・ジョンソンは、同社の骨盤メッシュインプラントで重傷を負ったと主張する数百人のスコットランド人女性による訴訟を解決するために、非公開の金額を支払うことに同意しました。

和解は、ジョンソン・エンド・ジョンソンの子会社であるエチコンが行った、インプラントによる痛みやその他の深刻な副作用に苦しむ女性によってもたらされた4件の主要な訴訟がエジンバラの法廷に持ち込まれようとしていたときに起こりました。

ジョンソンとジョンソンは、和解がスコットランドでのそれに対する訴訟の大部分をカバーしていることを確認しました。

]]>
英国政府は、骨盤メッシュの患者に謝罪し、支援し補償する必要がありますと結論を出しました。 https://www.urogynnet.jp/%e8%8b%b1%e5%9b%bd%e6%94%bf%e5%ba%9c%e3%81%af%e3%80%81%e9%aa%a8%e7%9b%a4%e3%83%a1%e3%83%83%e3%82%b7%e3%83%a5%e3%81%ae%e6%82%a3%e8%80%85%e3%81%ab%e8%ac%9d%e7%bd%aa%e3%81%97%e3%80%81%e6%94%af%e6%8f%b4/ Tue, 20 Oct 2020 10:47:51 +0000 https://www.urogynnet.jp/?p=1335 英国の最大医学誌のひとつBMJは英国政府の方針を発表した。英国政府は、3つの医学的介入(プリモドス、バルプロ酸ナトリウム、骨盤メッシュ)の影響を受けた人々に「医療制度を代表して」謝罪し、待望の安全審査に耳を傾け、支援し、補償する必要がありますと結論を出したというものである。

これは、骨盤メッシュ問題への大きな成果といえる。かって、医師側にはメッシュの危険性は周知されなかった。そのために、多くの医師が骨盤メッシュを使用するに至った。

独立したレビューは、NHS全体での3つの医学的介入の使用を評価するために、当時の英国保健大臣ジェレミーハントによって2018年に委託されました。2つの報告書は、3つの事例すべてにおいて、患者の懸念はしばしば見落とされ、その結果、患者が個人で訴えるしかなかったことを示している。政府機関がより早く行動することができておらず、政府からの医師へのコミュニケーションが不十分であるために、患者が手術のリスクについて知ることができなかった場合が多くあったとしている。

]]>
女性の尿失禁に対する筋電図バイオフィードバックの有無による骨盤底筋トレーニングの有効性:多施設ランダム化比較試験 https://www.urogynnet.jp/%e5%a5%b3%e6%80%a7%e3%81%ae%e5%b0%bf%e5%a4%b1%e7%a6%81%e3%81%ab%e5%af%be%e3%81%99%e3%82%8b%e7%ad%8b%e9%9b%bb%e5%9b%b3%e3%83%90%e3%82%a4%e3%82%aa%e3%83%95%e3%82%a3%e3%83%bc%e3%83%89%e3%83%90%e3%83%83/ Tue, 20 Oct 2020 10:17:38 +0000 https://www.urogynnet.jp/?p=1327

概要
目的:女性のストレスまたは混合性尿失禁に対する骨盤底筋トレーニング(PFMT)と筋電図バイオフィードバックまたはPFMT単独の有効性を評価すること。並行群間ランダム化比較試験。

研究方法:2014年2月から2016年7月の間に新たにストレスまたは混合性尿失禁を呈した18歳以上の参加者600人の女性:300人がPFMTと筋電図バイオフィードバックにランダム化され、300人がPFMTのみにランダム化されました。

介入両方のグループの参加者には、16週間にわたって失禁セラピストとの6回の予約が提供されました。バイオフィードバックPFMTグループの参加者は、診療所の予約中および自宅で筋電図によるバイオフィードバックを組み込んだ、監視付きPFMTおよび家庭用PFMTプログラムを受け取りました。PFMTグループは、監視付きPFMTとホームPFMTプログラムを受け取りました。PFMTプログラムは、予定を超えて進行しました。

主なアウトカム指標:24ヶ月での尿失禁の自己申告による重症度(尿失禁に関する国際協議アンケート-尿失禁の短い形式(ICIQ-UI SF)、範囲0〜21、スコアが高いほど重症度が高いことを示す)でした。二次転帰は、治癒または改善、他の骨盤底症状、状態特有の生活の質、女性の改善の認識、骨盤底筋機能、他の尿失禁治療の取り込み、PFMT自己効力、順守、介入費用、および質調整生存年でした。

結果:24か月の平均ICIQ-UISFスコアは、バイオフィードバックPFMTグループで8.2(SD 5.1、n = 225)、PFMTグループで8.5(SD 4.9、n = 235)でした(平均差-0.09、95%信頼区間- 0.92〜0.75、P = 0.84)。バイオフィードバックPFMTは、PFMTと同様のコスト(平均差£121($ 154;€133)、-£409から£651、P = 0.64)および質調整生存年(-0.04、-0.12から0.04、P = 0.28)を持っていました。48人の参加者が有害事象を報告しました。23人の場合、これは介入に関連していたか、おそらく関連していた可能性があります。

結論:24か月の時点で、PFMTと筋電図によるバイオフィードバックとPFMTのみのグループの間で、尿失禁の重症度に重要な違いがあるという証拠は見つかりませんでした。PFMTによる筋電図バイオフィードバックの日常的な使用は推奨されるべきではありません。

奥井の解説

骨盤底筋体操は日本では保険適応である。この体操の指導に、様々な器具を用いたりして自費で行う施設もある。しかし、今回のデータからは、筋電図でのサポートは優位性を持たなかった。もちろん限られた時間では十分な指導ができない場合もあるが、まずは、患者自身から勉強に取り組んで保険診療範囲で理解できるように努力していくことが大切ではないかといえる

]]>
アルツハイマー認知症の素因のある人が抗コリン薬を服用した場合 https://www.urogynnet.jp/%e3%82%a2%e3%83%ab%e3%83%84%e3%83%8f%e3%82%a4%e3%83%9e%e3%83%bc%e8%aa%8d%e7%9f%a5%e7%97%87%e3%81%ae%e7%b4%a0%e5%9b%a0%e3%81%ae%e3%81%82%e3%82%8b%e4%ba%ba%e3%81%8c%e6%8a%97%e3%82%b3%e3%83%aa%e3%83%b3/ Tue, 20 Oct 2020 06:21:53 +0000 https://www.urogynnet.jp/?p=1349 Neurologyに投稿された論文によると、抗コリン薬のMCIリスク、APOE ε4遺伝子保有者で大きいと報じている。

Weigand AJ, et al. Association of anticholinergic medication and AD biomarkers with incidence of MCI among cognitively normal older adults. Neurology. 2020 Sep 2

 

認知機能が正常な高齢者688人(平均年齢73.5歳、49.6%が女性)を対象にした研究成果です。

抗コリン薬の認知機能への影響

および、APOE ε4遺伝子型と髄液(CSF)バイオマーカーとの相互作用を検討しています。

APOE ε4遺伝子とは、

アルツハイマー型認知症(アルツハイマー病)は、アミロイドベータペブチドという老廃物が脳に蓄積することで、 神経細胞に障害を与えます。これが認知症の原因です。アミロイドベータペブチドの蓄積や凝集に関わる物質が何種類もあり、そのひとつが、アポリポタンパク質Eです。その遺伝子である、APOE(アポイー)遺伝子には、主にε(イプシロン)2、ε3、ε4の3種類あり、 2つ一組で遺伝子型を構成しています。このAPOE ε4遺伝子というのは、アルツハイマー認知症で用いられる研究指標です。

 

この研究では、統計方法のひとつであるCox回帰で10年間の軽度認知機能障害(MCI)への進行リスク、線形混合効果モデルで抗コリン薬による記憶力、実行機能、言語機能の3年間の低下度を評価しています。

その結果、抗コリン薬使用によって軽度認知機能障害(MCI)の進行リスクが上昇することが分かりました。

APOE ε4遺伝子保有者が抗コリン薬を服用していると、APOE ε4遺伝子非保有者の抗コリン薬非使用と比べて、MCI発症リスクが2倍以上高くなったとわかっています。また、脳脊髄液中のリン酸化タウ蛋白およびアミロイドß陽性(p-tau/Aß+)の抗コリン薬使用は、いずれも陰性(p-tau/Aß-)の抗コリン薬非使用と比べ、リスクは4倍以上高かったとしています。

 

奥井の解説)

過活動膀胱の治療薬である抗コリン薬は、つぎつぎに新しい薬が開発されるが、毎回問題になるのが、認知症への影響です。新しい薬は、治験の期間が10年というものはありえないので、抗コリン薬の蓄積が身体におよぼす影響は未知数です。この研究は、脳科学のほうから、抗コリン薬の影響をみたものです。

 

 

 

]]>