骨盤臓器脱手術 – よこすか女性泌尿器科 https://www.urogynnet.jp 骨盤臓器脱、尿失禁専門 Sun, 03 Aug 2025 04:52:34 +0000 ja hourly 1 https://wordpress.org/?v=6.3.8 https://www.urogynnet.jp/wp/wp-content/uploads/2020/09/cropped-YHClogo-1-e1600819206147-32x32.jpg 骨盤臓器脱手術 – よこすか女性泌尿器科 https://www.urogynnet.jp 32 32 間質性膀胱炎/膀胱痛症候群(IC/BPS)に関するネット情報は信頼できる? https://www.urogynnet.jp/%e8%86%80%e8%83%b1%e7%97%9b%e7%97%87%e5%80%99%e7%be%a4%e3%81%ab%e9%96%a2%e3%81%99%e3%82%8b%e3%83%8d%e3%83%83%e3%83%88%e6%83%85%e5%a0%b1/ Wed, 02 Jul 2025 21:11:13 +0000 https://www.urogynnet.jp/?p=2159 「間質性膀胱炎/膀胱痛症候群(IC/BPS)」に関するネット情報は信頼できる?――最新論文からわかること

✔ ネット上の医療情報はどれくらい正確でわかりやすいの?

インターネットで「間質性膀胱炎」や「膀胱痛症候群(IC/BPS)」の治療法について検索したことはありますか?
病気のつらさや不安を抱えていると、「何か新しい治療法はないか」「他の人はどうしているのか」と気になって、検索する方も多いと思います。

しかし、ネット上にある医療情報はすべてが正しいとは限りません。
そこでアメリカの泌尿器科専門医らが、**ネット情報の「正確さ」「信頼性(質)」「読みやすさ」**を詳しく調べた研究結果が、2025年7月に発表されました。


🔍 研究の内容

研究チームは、以下のように調査を行いました:

  • GoogleとBingで「interstitial cystitis treatment(間質性膀胱炎の治療)」と検索

  • 検索結果の上位20件ずつ、計40サイトから重複を除き25サイトを選定

  • 泌尿器科専門医がそれぞれのサイトの情報をチェック

    • ✔ 正確さ:1〜5点で評価(5点が最も正確)

    • ✔ 質の評価:医療情報評価ツール「DISCERN」で点数化

    • ✔ 読みやすさ:文章の難しさを測定(Flesch-Kincaid法など)


🧾 結果:正確だが、読みにくい!

評価項目 結果
✅ 正確さ 高い(中央値 4点/5点満点)
🔶 情報の質 やや不十分(中央値 42点/75点満点)
⚠ 読みやすさ 非常に難しい(高校~大学レベル)

特に重要なのが「読みやすさ」です。
ネットにある多くの医療情報は、専門用語が多く、文章が難解で、患者さんが理解しづらいレベルだったのです。

  • Flesch-Kincaid 読解度指数:45.8(難しめ)

  • 学年換算:10~13学年(高校後半~大学)

アメリカの医療業界では、小学校6年生(日本の中1相当)でも理解できる文章が推奨されています。
つまり、今回の結果は「患者さんにとって、ネットの情報はやや難しすぎる」ということになります。


💡 この研究からのメッセージ

  • ネットで得た情報が正確とは限らない

  • 仮に正確でも、理解しやすい形では提供されていない

  • 不安なときは、専門医と直接相談することが大切


🩺 医師としてのアドバイス

「間質性膀胱炎/膀胱痛症候群」は慢性的な痛みを伴い、情報に振り回されやすい病気でもあります。
この研究は、「正しい情報を、わかりやすく届けること」がいかに大切かを教えてくれます。

私たち医療者も、なるべくわかりやすい言葉で説明するよう努めています。
もしネットで見た内容に不安を感じたら、遠慮せずに質問してください。


📚 原著論文(医療者向け)

Moreland K, et al. An Analysis of the Accuracy, Quality, and Readability of Online Health Information for Interstitial Cystitis/Bladder Pain Syndrome. Urology. 2025. doi: 10.1016/j.urology.2025.07.013

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【当院の海外論文】数学の力で遺伝子病の新発見を https://www.urogynnet.jp/%e3%80%90%e5%bd%93%e9%99%a2%e3%81%ae%e6%b5%b7%e5%a4%96%e8%ab%96%e6%96%87%e3%80%91%e6%95%b0%e5%ad%a6%e3%81%ae%e5%8a%9b%e3%81%a7%e9%81%ba%e4%bc%9d%e5%ad%90%e7%97%85%e3%81%ae%e6%96%b0%e7%99%ba%e8%a6%8b/ Wed, 02 Apr 2025 23:03:45 +0000 https://www.urogynnet.jp/?p=2162 数学の力で遺伝子病の新発見を

~子どもに起きる腎臓の難病「ARPKD」の原因を探る、新しいアプローチ~

多発性嚢胞腎

●どんな病気?
ARPKD(常染色体劣性多発性嚢胞腎)は、子どもに起こる珍しい遺伝性の腎臓病です。腎臓に小さな袋(嚢胞)がたくさんでき、だんだん腎臓の働きが悪くなってしまいます。この病気は、PKHD1という遺伝子の異常が関係していることがわかっていますが、「なぜ」「どのように」病気が進行するのかは、まだ詳しくはわかっていません。

●何を調べたの?
私たちは、「数学の力」で遺伝子の働きをネットワークのように見える形にし、病気の進み方を読み解こうとしました。
具体的には、患者さんと健康な人の腎臓から得られた遺伝子データを使って、以下のことを調べました:

  • 遺伝子同士のつながり方(ネットワーク構造)

  • どの遺伝子が中心的な役割を持っているか

  • 健康な状態と病気の状態で、どのグループの遺伝子が活発か・静かか

 

●わかったことは?
🧩 意外な発見①:主な原因とされる遺伝子PKHD1は、他の遺伝子とのつながりが弱かった
→これは、病気の進行には他にも重要な遺伝子が関わっている可能性を示しています。

🌐 意外な発見②:特定の遺伝子グループ(コミュニティ)が、病気の進行や炎症・修復と関係していた
→たとえば、「Community 5」と呼ばれるグループは、ARPKDの患者さんで特に活発になっており、免疫や細胞の再生に関わる遺伝子が多く含まれていました。

⚠ 意外な発見③:健康なときに活発な遺伝子グループ「Community 3」は、病気では抑えられていた
→これは、腎臓が本来もっている防御力や安定性が低下している可能性を示しています。

多発性嚢胞腎

●なぜこの研究が大切なの?
これまでの研究は、ある特定の遺伝子の「量」だけを比べる方法が主でした。しかし今回は、「遺伝子同士の関係性」を数学的に解析する新しい方法で、病気のメカニズムの“つながり”を明らかにしようとしました。

このようなネットワーク解析により、今まで見逃されていた「隠れた重要遺伝子」や「新しい治療のヒント」が見つかる可能性があります。

数学を使った当院の研究

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メッシュによる仙骨膣固定術後の脊椎椎間板炎の重要性 https://www.urogynnet.jp/%e3%83%a1%e3%83%83%e3%82%b7%e3%83%a5%e3%81%ab%e3%82%88%e3%82%8b%e4%bb%99%e9%aa%a8%e8%86%a3%e5%9b%ba%e5%ae%9a%e8%a1%93%e5%be%8c%e3%81%ae%e8%84%8a%e6%a4%8e%e6%a4%8e%e9%96%93%e6%9d%bf%e7%82%8e%e3%81%ae/ Sun, 14 Jul 2024 03:10:43 +0000 https://www.urogynnet.jp/?p=2137

仙骨膣固定術という手術は、骨盤臓器脱(骨盤内の臓器が下がってしまう状態)の治療に使われる一般的な手術です。しかし、まれに手術の後に深刻な合併症として脊椎椎間板炎(背骨の炎症)が起こることがあります。この炎症は早く見つけて治療しないと大変なことになります。

方法: 研究者たちは2000年から2022年までの関連文献を調べて、この手術の後に起こる炎症について調べました。

結果: 脊椎椎間板炎は、手術の際に仙骨という部分にメッシュを固定する過程で何か問題が起こったり、感染が原因で起こります。研究者たちは、68歳の女性が手術後7週間で激しい腰の痛みを訴えたケースを報告しています。MRI検査でL5-S1という部分に炎症があると診断され、抗生物質で治療しましたが、完全には治らず、再手術でメッシュを取り除いたところ、痛みがなくなりました。

結論: もし手術後に腰が痛くなったら、この炎症を疑って早めにMRI検査を受けるべきです。適切に治療すれば、大変なことになるのを防ぐことができます。

  • 症例報告: 68歳の女性が仙骨膣固定術を受けた7週間後に激しい腰痛を訴えました。MRI検査の結果、L5-S1の脊椎椎間板炎と診断されました。最初は抗生物質で治療を試みましたが、症状が完全には改善しませんでした。そこで再手術を行い、メッシュを取り除いたところ、症状が完全に消失しました。このケースでは、メッシュの固定部位が原因で炎症が続いていたと考えられます。

脊椎椎間板炎の診断と治療: 脊椎椎間板炎が疑われる場合、次の手順が推奨されます。

  1. 診断:
    • MRI検査: 早期の診断にはMRIが最も効果的です。背骨の炎症や感染の状態を詳しく確認できます。
    • 血液検査: 炎症の指標となるC反応性タンパク(CRP)や赤血球沈降速度(ESR)を測定します。
  2. 治療:
    • 抗生物質治療: 感染が疑われる場合、抗生物質を使用します。しかし、すべてのケースで効果があるわけではありません。
    • 手術: 抗生物質治療が効果を示さない場合、再手術を行い、メッシュや感染部位を取り除く必要があります。

結論: 仙骨膣固定術後に腰痛が続く場合、脊椎椎間板炎の可能性を考慮し、早期にMRI検査を行うことが重要です。適切な治療により、重篤な合併症を防ぐことができます。この研究は、手術後の腰痛が軽視できないことを示しており、患者が早めに適切な治療を受けられるようにするための重要な情報を提供しています。

おすすめの対策

  • 早期発見: 手術後の異常な腰痛を見逃さず、早めに医師に相談すること。
  • 定期検査: 手術後も定期的に検査を受け、異常がないか確認すること。
  • 適切な治療: もし問題が発生した場合、すぐに適切な治療を受けること。

このように、仙骨膣固定術後のケアをしっかりと行うことで、脊椎椎間板炎のリスクを減らし、安心して生活することができます。

**仙骨膣固定術後の脊椎椎間板炎とメッシュのリスク**

仙骨膣固定術(LSC)は、骨盤臓器脱(POP)を治療するための一般的な手術ですが、この手術にはまれに脊椎椎間板炎という合併症が発生することがあります。脊椎椎間板炎は、背骨の一部に感染や炎症が起こる状態で、適切に治療しないと深刻な問題を引き起こす可能性があります。この状態は、手術中に仙骨にメッシュを固定する際の不適切な手技や手術部位の感染によって引き起こされることが多いです。

### メッシュのリスクとしての脊椎椎間板炎

メッシュを使用する手術には以下のリスクがあります:
1. **感染リスク**: メッシュ自体が感染の温床になる可能性があり、これが脊椎椎間板炎を引き起こすことがあります。
2. **組織の損傷**: メッシュを固定する際に、仙骨周辺の組織が損傷を受けることで炎症が起こることがあります。
3. **異物反応**: 体がメッシュを異物として認識し、炎症反応を引き起こすことがあります。

### LSC推進と脊椎椎間板炎について

LSCを推進することに盲目的になっている医師たちは、この手術が一般的には安全で効果的であると強調することが多く、まれな合併症についてはあまり論文に記載しない傾向があります。そのため、脊椎椎間板炎のような重篤な合併症についての報告は少ないかもしれません。

しかし、次の点に注意することが重要です:
– **早期発見と治療**: 手術後に異常な腰痛が発生した場合は、脊椎椎間板炎の可能性を考慮し、早めにMRI検査を受けることが重要です。
– **情報の共有**: 患者さんや他の医療従事者と情報を共有し、メッシュ使用のリスクについて理解を深めることが重要です。

### まとめ

脊椎椎間板炎は、仙骨膣固定術のまれな合併症として認識されるべきです。メッシュの使用に伴うリスクの一つとして考えることができます。手術後の経過観察と異常があった場合の早期対応が、患者さんの健康と安全を守るために非常に重要です。

 

 

 

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専門文献検索 ”AIまちこ先生” ができました https://www.urogynnet.jp/%e5%b0%82%e9%96%80%e6%96%87%e7%8c%ae%e6%a4%9c%e7%b4%a2-ai%e3%81%be%e3%81%a1%e3%81%93%e5%85%88%e7%94%9f-%e3%81%8c%e3%81%a7%e3%81%8d%e3%81%be%e3%81%97%e3%81%9f/ Fri, 12 Jul 2024 10:51:49 +0000 https://www.urogynnet.jp/?p=2135 女性泌尿器科のこと、間質性膀胱炎のこと、メッシュの問題のこと、外陰部痛のこと、過活動膀胱のこと、、、

さまさまな課題がありますが、どの情報がただしいかわかりません。わたしたちは、いままで多くの論文をわかりやすく紹介してきました。

そして、ついに、チャット形式の人工知能で一流論文のまとめを、わかりやすい言葉でお伝えすることに成功しました。

そこで、AIまちこ先生 (試験運用β版)は、あなたの質問にこたえます。

AIまちこ先生は、いままで構築した当院の人工知能ヴェスパーシステムを応用して、チャットGPTプラットフォームで公開しています。

基本的な検索対象を、米国医学図書館に収納された査読付きの一流医学ジャーナルにしておりますので、試験的な使用では95%をこえるただしい解答がえられます。

(ただし、チャットGPTはときとして、間違いをしますので、ご自身で確認が必要です。利用される方のご判断でおねがいします)

★★★ソフトウエア更新履歴
2024/07/13 β-1.1バージョンです。
2024/07/16 β-1.2バージョンです。メッシュの論文を追加しました。

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【当院の海外論文】離散数学を用いて、尿失禁をグラフ化に成功 https://www.urogynnet.jp/%e3%80%90%e5%bd%93%e9%99%a2%e3%81%ae%e6%b5%b7%e5%a4%96%e8%ab%96%e6%96%87%e3%80%91%e9%9b%a2%e6%95%a3%e6%95%b0%e5%ad%a6%e3%82%92%e7%94%a8%e3%81%84%e3%81%a6%e3%80%81%e5%b0%bf%e5%a4%b1%e7%a6%81%e3%82%92/ Tue, 07 May 2024 02:55:53 +0000 https://www.urogynnet.jp/?p=2128 今回は、当院での研究を、離散数学という技術でネットワークグラフ化に成功したというものです。
この研究成果は、Nature姉妹誌 ”サイエンティフィック・レポート”という雑誌に採用されました。このNatureグループの医学ジャーナルに採用されると、NatureポートフォーリオをいうWebに載るので、世界中の人が読むことになります。

それで、どんなことをしたというと、このイラストみたいに、人間の持つ病気を、さまざまな因子に分けて分類し、それを地図のように並べたのです。ここで、地図の上を、カーナビを走らせて、最も最適な治療法をしらべるというものです。
むずかじくいうと、尿失禁の持ついろんな表情を集めて、そのアルゴリズムを見つけて、治療方針を個別に相談できるようにしたということです。

Innovative decision making tools using discrete mathematics for stress urinary incontinence treatment.
Okui N. Sci Rep. 2024 Apr 30;14(1):9900. doi: 10.1038/s41598-024-60407-w.

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【当院の海外論文】vNOTESという新技術でメッシュ摘出を安全に https://www.urogynnet.jp/%e3%80%90%e5%bd%93%e9%99%a2%e3%81%ae%e6%b5%b7%e5%a4%96%e8%ab%96%e6%96%87%e3%80%91vnotes%e3%81%a8%e3%81%84%e3%81%86%e6%96%b0%e6%8a%80%e8%a1%93%e3%81%a7%e3%83%a1%e3%83%83%e3%82%b7%e3%83%a5%e6%91%98/ Mon, 18 Mar 2024 21:35:32 +0000 https://www.urogynnet.jp/?p=2110 vNOTES(自然開口部経管内視鏡手術)という新しい技術は、自然の開口部、たとえば、膣に道具をあてて、内視鏡で拡大して中をみて操作をします。このために、繊細な手術をすすめるとができます。

もともとメッシュを挿入するときと違って、メッシュをぬくときは大変なのです。その理由は、メッシュが炎症のまんなかにあるからです。

メッシュがそばにあると、血管の細胞への栄養血管がおさえつけられ、組織の伸びがわるくなります。このために、炎症細胞が太い血管での血の流れを阻害していきます。そのような場所には、不良肉芽という組織がふえますので、この不良肉芽からメッシュをぬきとるのは至難のわざです。おおきく切開して、まわりは出血が大量におきてしまいます。

こうゆうときほど拡大して確認しながら、1mmずつ剥離をできれば、それが一番よいです。そのためのvNOTESという手術です。

Okui N, Okui M A (March 17, 2024) Pathological Insights on Polypropylene Mesh Complications From Laparoscopic Sacrocolpopexy: A Case Series. Cureus 16(3): e56354. doi:10.7759/cureus.56354

論文のポイント!

最初に、メッシュ手術に伴う痛みについての考察しました。LSC(下腹部手術)に関連する合併症には背中の痛み、お尻の痛み、腰椎炎、硬膜外膿瘍、骨髄炎が含まれます。今までの研究論文では、LSC後に19%の患者が背中の痛みを、4.8%がお尻の痛みを経験したと報告しています。また、メッシュの侵食が4.5%、メッシュ関連の痛みが2.3%であったとも報告されています。別の研究では、LSC手術後に2.2%で腹膜後膿瘍、2.2%で尿失禁の悪化が見られたと報告されています。合併症の発生率にはばらつきがあることが示されています。
今までの研究論文とこの研究に基づき、腰とお尻の痛みが一般的な副作用であると推測されます。発生頻度にかかわらず、これらの痛みは治療可能であると考えられ、治療の対象とすべきです。

2番目に、メッシュの抜去の現状について考察しています。今までの研究論文では、LSCによるメッシュの侵食から生じる腰の痛みの重要性を強調し、合併症を管理する新しい技術の必要性を指摘しています。しかし、LSC後の再手術の発生率は驚くほど低く、関連するデータが報告されています。
この研究は、メッシュ除去手術が潜在的なリスクを持つことを示しています。これは、侵食されたメッシュ部分に対して最小限に侵襲的なアプローチを必要とし、伝統的な開腹手術と比較して感染リスクを最小限に抑える必要があります。このような技術が開発されれば、メッシュ関連の再手術がより広く行われるようになると予想されます。

3番目に、病理学的観点からメッシュ合併症を分析しています。外科治療の最も重要な側面は、ポリプロピレンメッシュがどのように痛みを引き起こすかのメカニズムです。今までの研究論文は、長期間の植え込みが宿主組織に持続的な炎症性異物反応を引き起こし、慢性傷や悪性変化につながる可能性があることを示しています。

4番目に、メッシュ抜去のためのvNOTES外科技術の評価が行われます。vNOTESは、伝統的な開腹手術に比べて数多くの利点が報告されています。これには、最小限の侵襲性、術後の痛みの軽減、回復の速さが含まれます。また、高BMIの患者にも有益であることが示されています。vNOTESは、問題のあるメッシュ領域を直接視覚化できるため、腹腔鏡によるメッシュ除去よりも効果的なアプローチであると予測されます。

5番目に、メッシュ抜去後の再挿入についての考慮があります。フランスの臨床実践ガイドラインは、メッシュ抜去後のPOP再建のためのメッシュ再挿入の必要性を慎重に評価することの重要性を強調しています。これは、合成メッシュを用いたPOP手術後に合併症が発生するリスクが高い特定の患者群が存在するためです。

最後に、メッシュ抜去後の合併症の解決が探求されています。最近の研究は、メッシュ除去後の合併症の治療において重要な進歩を示しています。この研究は、メッシュ除去後の尿失禁に対するUELおよびVELの有効性を示し、これは以前の研究によって支持されています。

この研究は、POPおよびLSC治療後に痛みを経験した患者でのvNOTESを用いたポリプロピレンメッシュの除去を提示しています。vNOTESは、ポリプロピレンメッシュに関連する合併症を持つ患者の痛みを著しく軽減しました。これらの洞察は、将来のメッシュ設計の改善とPOP治療方法の選択に貴重な視点を提供します。

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糖尿病の悪い人は、メッシュを使ってはいけない! https://www.urogynnet.jp/%e7%b3%96%e5%b0%bf%e7%97%85%e3%81%ae%e6%82%aa%e3%81%84%e4%ba%ba%e3%81%af%e3%80%81%e3%83%a1%e3%83%83%e3%82%b7%e3%83%a5%e3%82%92%e4%bd%bf%e3%81%a3%e3%81%a6%e3%81%af%e3%81%84%e3%81%91%e3%81%aa%e3%81%84/ Wed, 28 Feb 2024 22:39:37 +0000 https://www.urogynnet.jp/?p=2099 この論文から言えることは、

HBA1c(ヘモグロビンA1c)の悪い人は、メッシュを使ってはいけない!

ということです。

 

アメリカ、ペンシルバニアからの報告です

「糖尿病における泌尿器科メッシュに対する炎症反応の乱れとその影響」という論文では、糖尿病を持つ女性が尿失禁や骨盤臓器脱のためにメッシュ補強手術を受けた際に起こるメッシュの問題について調べています。糖尿病は、これらの手術で使用されるメッシュに関連する合併症の独立したリスク要因ですが、その背後にあるメカニズムは明確ではありません。

この研究の目的は、糖尿病がメッシュに対する体の炎症反応にどのような変化を引き起こすかを明らかにし、それを手術前後の血糖管理と関連付けることです。

研究では、メッシュ除去手術を受けた患者200人の医療記録を調査しました。その中で、糖尿病と診断された患者25人については、メッシュ植え込み前、除去前後の血糖管理を血糖値とHbA1cレベルで評価しました。糖尿病のある患者とない患者から採取した組織サンプルを比較し、免疫細胞マーカー、免疫媒介物質、重要な炎症調節因子などの遺伝子発現プロファイルを調べました。

結果として、糖尿病を持つ患者は、メッシュ植え込み後の血糖管理が不十分であり、除去前後に血糖が緩やかにあるいは不十分に管理されている患者が59%に上りました。両グループの除去されたメッシュ組織複合体では、慢性炎症反応が観察されましたが、糖尿病グループでは、特にM2型マクロファージ(免疫反応を和らげる細胞)のマーカーが増加していました。また、糖尿病グループでは、特定の炎症関連遺伝子の発現が上昇している一方で、炎症を引き起こす別の因子は意外にも減少していました。

糖尿病は、メッシュ植え込みにおける長期的な炎症反応を変化させ、特に先天免疫細胞の機能不全に関連していることが示されました。メッシュ植え込み後の血糖コントロールの最適化が不十分であることが、この免疫調節の乱れに寄与している可能性があり、さらなるメカニズムの研究が必要であると結論付けられました。

簡単に言うと、この研究は糖尿病を持つ女性がメッシュ手術後に経験するかもしれない合併症のリスクが高まる理由を探っています。特に、体の炎症反応がどのように乱れ、それがメッシュの問題にどのように関連しているかを調べています。この知見は、これらの患者の術後ケアにおいて重要な洞察を提供します。

 

 

Dysregulated Inflammatory Response to Urogynecologic Meshes in Women with Diabetes and Its Implications

  • Authors: R Liang, ER Shaker, M Zhao, K Gabrielle, et al.
  • Journal: American Journal of Obstetrics and Gynecology
  • Year: 2024
  • DOI: The specific volume, issue, and page numbers, along with the DOI, were not provided in the extracted content. For detailed bibliographic information, please refer to the article’s page on the publisher’s website
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外陰部の萎縮は、便失禁もある(エール大学の研究) https://www.urogynnet.jp/%e5%a4%96%e9%99%b0%e9%83%a8%e3%81%ae%e8%90%8e%e7%b8%ae%e3%81%af%e3%80%81%e4%be%bf%e5%a4%b1%e7%a6%81%e3%82%82%e3%81%82%e3%82%8b%ef%bc%88%e3%82%a8%e3%83%bc%e3%83%ab%e5%a4%a7%e5%ad%a6%e3%81%ae%e7%a0%94/ Thu, 01 Feb 2024 21:44:32 +0000 https://www.urogynnet.jp/?p=2105 この論文では、閉経後の女性における外陰膣症状(GSM)の有病率と、これらの症状が女性の感情、生活様式、性生活へ与える影響について調査しています。特に、膣の萎縮(外陰膣萎縮)やGSMに伴う症状として、乾燥、燃焼感、刺激感、性交時の不快感、痛みなどが挙げられています。また、この研究では、外陰膣症状がある閉経後の女性が感じる感情的、生活様式の影響、および性生活への影響を明らかにし、これらの症状がどの程度一般的であるか、そしてこれらの症状が他の骨盤底障害や閉経期の一般的な症状とどのように関連しているかを評価しています。

この論文では、便失禁(肛門失禁)と外陰膣症状との関連についても触れています。便失禁は、骨盤底障害の一種であり、この研究によると、外陰膣症状を持つ女性は、便失禁を含む特定の骨盤底障害の共存が増加していることが示されています(p=0.001)。つまり、外陰膣症状と便失禁(肛門失禁)は関連があり、これらの症状は閉経後の女性の生活の質に著しい影響を及ぼす可能性があると結論付けられています。

この研究は、閉経後の女性における外陰膣症状の有病率、影響、およびこれらの症状が骨盤底障害や閉経期の一般的な症状とどのように関連しているかについての重要な情報を提供しています。

doi: 10.1097/GME.0000000000000549.

Vulvovaginal symptoms prevalence in postmenopausal women and relationship to other menopausal symptoms and pelvic floor disorders

 

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【当院の海外論文】メッシュびらん:膣から出血する人の治療 https://www.urogynnet.jp/%e3%80%90%e5%bd%93%e9%99%a2%e3%81%ae%e6%b5%b7%e5%a4%96%e8%ab%96%e6%96%87%e3%80%91%e3%83%a1%e3%83%83%e3%82%b7%e3%83%a5%e3%81%b3%e3%82%89%e3%82%93%ef%bc%9a%e8%86%a3%e3%81%8b%e3%82%89%e5%87%ba%e8%a1%80/ Wed, 31 Jan 2024 21:38:33 +0000 https://www.urogynnet.jp/?p=2114 骨盤臓器脱や腹圧性尿失禁の治療には、ポリプロピレンメッシュをつかいます。しかし、これがメッシュ露出やびらんをおこすと対処方法がないです。フランスのガイドラインが出たばかりですが、治療法がみつからず、”切除するとよいかもしれない”とか、”患者と話し合うべき”という段階にとどまってます。

当院は、この病気にとりくんできたため、ようやく国際論文をだすところまできました。

左が治療前の組織の像です。一般のひとでもわかるとおもいますが、組織がメッシュで破壊されて、いわばぼろぼろ。これではメッシュを部分的に摘出してもなおるわけありません。

右は、メッシュをある程度切除した後に、レーザー治療をしたもの。細胞がしっかり生えて、メッシュのまわりをとりかこみます。このことで、メッシュは封印されて出血がなくなります。

 

この治療法の重要なのは、コロンブスの卵みたいなもので、いままで、メッシュトラブルはメッシュを切るという発想しかなかったものを、メッシュのまわりに組織を強制的に増やして封印してしまうというものです。
これには、非蒸散姓エルビウムYAGレーザーが必要です。これは表面に傷をつけずに、中の組織だけに刺激をあたえて細胞をふやすことが可能です。

 

 

Okui N, Kouno Y, Nakano K, et al. (February 28, 2024) Evaluating Non-ablative Erbium Yttrium Aluminium Garnet (YAG) Laser Treatment for Polypropylene Mesh-Induced Vaginal Erosion: A Case Series. Cureus 16(2): e55128. doi:10.7759/cureus.55128

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腹腔鏡下仙骨腟固定術での生命の危険を脅かす症例 https://www.urogynnet.jp/%e8%85%b9%e8%85%94%e9%8f%a1%e4%b8%8b%e4%bb%99%e9%aa%a8%e8%85%9f%e5%9b%ba%e5%ae%9a%e8%a1%93%e3%81%a7%e3%81%ae%e7%94%9f%e5%91%bd%e3%81%ae%e5%8d%b1%e9%99%ba%e3%82%92%e8%84%85%e3%81%8b%e3%81%99%e7%97%87/ Wed, 06 Sep 2023 00:24:02 +0000 https://www.urogynnet.jp/?p=2046 要旨(72歳の女性。メッシュ切除時に出血多量)

膣のメッシュ露出と感染は、ヴォールト脱垂のために行われる開腹および腹腔鏡下の仙腸腹膜腟成形術の認識された合併症です。重度の場合、完全な仙腸腹膜腟成形術のメッシュ除去が必要となることがあります。この症例報告では、以前にメッシュ仙腸腹膜腟成形術を受けた72歳の女性が、手術的経膣的メッシュ切除を何度も試みたにもかかわらず、感染したメッシュと再発性の膣出血を発症しました。手術中に命に関わる大量の出血が発生しました。出血を制御するために Hemorrhage Occluder™ Pins が血管外科によって使用されました。このような合併症は非常に稀ですが、合併症のあるメッシュ除去時に命に関わる出血を予期し、迅速に対処することが重要です。

ハイライト
•メッシュ感染は、腹部仙腸腹膜腟成形術のまれではありますが、深刻な合併症です。
•感染したメッシュの完全な除去が必要であり、合併症のリスクが高いです。
•感染したメッシュ除去中の突然の出血には、治療のための多科目的アプローチが必要となることがあります。

論文の概要

1. はじめに
腹腔仙腸腹膜腟成形術(SCP)は、骨盤臓器脱垂(POP)修復のための実績あるアプローチであり、報告された成功率は78-100%です[1]。最も頻繁な合併症には、ストレス性尿失禁、尿路感染症、およびメッシュ感染または露出が含まれます[2]。再発性のPOPの再手術率は、研究間で0%から18.2%の範囲にわたっています[1]。膣のメッシュ露出は、3.4-9%の症例で報告されており、最も頻繁に膣出血と排出物を伴う症状として現れます[1,3,4]。これらの症例では、部分的および完全な経膣的メッシュ除去がしばしば必要とされます[5]。新しいホルミウムレーザー膣鏡技術は、長く垂直化した膣管の先端に露出したメッシュのために報告されました[6]。露出の位置とメッシュ感染の程度に応じて、そのような除去は困難で合併症のリスクが高いことがあります[7]。

この症例報告では、完全に感染したSCPメッシュの開腹除去が必要でした。手術中に大きな仙腸前静脈から突然の大量出血が発生し、緊急の大量輸血プロトコルと血管外科のコンサルテーションが行われました。Hemorrhage Occluder™ Pins が血管外科によって配置され、この出血が制御され、患者の命が救われました。

2. 症例発表
72歳の女性、妊娠4回出産3回、増加した膣出血と悪化する腹部および背部の痛みをもって救急科を受診しました。患者は胃食道逆流症(GERD)、慢性的な腰痛、反復する尿路感染症(UTI)の既往歴を有し、また、胆嚢摘出術、全腹子宮摘出術(TAH)、子宮内膜症のための卵巣卵管摘出術(BSO)を経験しており、56歳でメッシュ仙腸腹膜腟成形術(SCP)と中尿道スリングの配置(MUS)を受けていました。57歳と59歳のときに再発性膣出血のために経膣的メッシュ切除術を受けました。

膣検査により、膣先端に露出したメッシュが、出血しやすい肉芽組織に囲まれていることが確認されました。CT検査では、メッシュが脊椎の上部に取り付けられるまでの経路に沿って液体とガスを含むコレクションが観察されました(図1)。開腹手術中、メッシュ固定糸が骨盤の上部から離れるように解剖が行われました。この場所は通常、前椎間靭帯の上の前面的な部分において行われるべきであり、この場所は大きな圧縮された静脈叢の発達に寄与した可能性があります。感染したメッシュとその周囲の厚いカプセルを解放した際、脆い血管が豊富に広範に出血し始めました。出血の強さはすぐに認識され、パッキングが行われました。麻酔科による大口径の静脈アクセスを取得し、大量輸血プロトコルを開始するために緊急に連絡を取り、血管外科のコンサルテーションが開始されました。

 

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC10447921/

 

Case Rep Womens Health. 2023 Sep; 39: e00533.
Published online 2023 Aug 8. doi: 10.1016/j.crwh.2023.e00533
PMCID: PMC10447921
PMID: 37637007
Hemorrhage Occluder™ Pin to control life-threatening bleeding during the removal of an infected sacrocolpopexy mesh: A case report

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