女性泌尿器科専門のクリニック

平清盛は頭痛をおこした

頭風を病んだ平清盛と平家物語にあります。「禅門(清盛)頭風ヲ病ムト云々」とされた一節です。


『養和元年記』
 去月廿二日頭風気ヲ発ス、同廿四日温気発動、コレヨリ以来、五内焦クガ如シ、雪ヲ器ニ盛リ、頭上ニ置カシメ、水ヲ船ニ洪ギ、身体寒ユト雖モ、煙毛穴ヨリ騰リ、雪水湯ノ如シ

平清盛は平安末期の武将。大河ドラマでもおなじみで、昨年は清盛の青春群像が描かれました。ところが1181年(治承五年)から頭痛のことが記載されます。最初は、九条兼実の日記『玉葉』です。頭風とは、もちろん頭痛のことです。

清盛といえば、劇症型溶血性レンサ球菌感染症で死亡したと考えられています。これは、劇症型溶血性レンサ球菌感染症は突発的に発症し、急速に多臓器不全に進行するA群溶血性レンサ球菌による敗血症性ショック病態です。メデイアなどで「人食いバクテリア」といった病名で、センセーショナルな取り上げ方をされることがありますね。

しかし、この頭痛は、「髄膜炎」か「脳出血」であったのかもしれません。
頭痛が、こわい病気の前兆であること のよい例です。

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頭痛のうち、すぐに救急車・救急受診が必要なのは、このようなときです

ショック状態、全身状態が不良の時(脈が弱い、応答が不確実、呼吸困難、顔色が悪く冷や汗をかいているなど)
ガーンと頭を殴られたような突然の頭痛
今まで経験したことのないようなひどい頭痛
はたから見て、いつもと様子の異なる頭痛
力が入らない、しゃべり方が変、見え方が変、けいれんを伴う
いうことが変、意識がおかしい。
発熱、嘔吐を伴う、頸をひどく痛がる。
嘔吐が止まらない、ふらつきやめまいを伴う。
自分では歩けない、動けない、失禁する。





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奥井識仁のコラム

奥井 識仁


  • 外科医。医学博士
  • よこすか女性泌尿器科


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