骨盤臓器脱手術を成功させるカギ 〜 ホルモン

女性泌尿器科の代表的な病気に、骨盤臓器脱があります。出産のときに骨盤底に傷がついてしまい、その後、肥満や女性ホルモンの低下により、骨盤底が緩んでしまい、膣から膀胱や子宮や直腸が落ちてくるもので、大変不快です。
10 人に1人の女性は治療を受けているというのですから、大変な数です。咳をすると尿がもれる腹圧性尿失禁もこの仲間で、尿道の周りの骨盤底が緩んだものです。
治療は、手術が一番有効です。私は全例日帰り手術で行うのですが、術前から女性ホルモンを利用します。女性ホルモンを補えば、手術の傷が治りやすく、感染症にも強いからです。女性の全ての手術にあてはまるわけではありません。

この骨盤臓器脱を利用して、手術前の性ホルモンについて解説しますと、術前3か月程度合成エストロゲン剤を低量使います。使用量は、ホルモン補充の副作用(ほてりなど)が出ないか様子を見ます。術後もしばらくはホルモン補充をしますが、傷が治り次第、運動や食べ物、および漢方薬で女性ホルモンの分泌を促します。



漢方は、八地黄丸 がん が適切ですが、胃に負担がある方には清心蓮子飲です。体が弱っている方は、補中益気湯です。


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